日本語ー生成原理の解明

大和言葉はこうしてできた

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4. ヤマトコトバは膠着語である(例)

呪ふ (ノル→ノロフ)
「宣る→呪ふ」です。「宣る」は名ノル・祝詞のノルで声を出すことを言い、人を怨む意はありません。ノブ(述ぶ)も同様の語。
選ぶ (エル→エラブ)
エル(得る)→エラブ。「選ぶ」は「得る」ことのバリエーションなわけです。同様に、クラブ(比ぶ)はクル(繰る・めくる)、シラブ(調ぶ)はシル(知る)からきています。
残る (ノク→ノコル)
ノク(除く)→ノコル(残る)です。ノケル(除)も同じです。ノゾク(除)のゾは強調辞でノク→ノゾクという語形成です。
悩む (ナユ→ナヤム)
ナユ(萎ゆ)→ナヤム(悩む)です。ナユ(萎ゆ)は本来植物が萎えることですが気持ちがナエルのようにも使います。同様に、クヤム(悔む)・クヤシ(悔し)はクユ(崩)を元にした語です。
加える (クフ→クハフ→クハヘル)
「加える」とは「銜える」こと。「銜える」というのはもちろん犬が銜えているという「銜える」です。クハハルともなります。
疲れる (ツク→ツカル→ツカレル)
元の語はツク。この場合のツクは「尽く」ということ。精も魂も尽き果てるというのが「疲れる」ということです。
例えば (タツ→タトフ→タトヘル)
「例える」とは事例を「立てる」こと。タツ(立)→タトフ(例)です。「例えば」は「例えれば」が省略されたもの。
働く (ハタル→ハタラク)
「追い立てる」ことをハタルと言いました。これは「端る」で、「端に追い詰める・(魚などを)追いやって取る」が原意です。「働く」は「追い立てられる」ことでした。
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[1]単純な語から多様な語が生み出される
[2]単純な語から多様な語が生み出される―2
[3]ヤマトコトバは膠着語である
[4]ヤマトコトバは膠着語である(例)
[5]膠着語尾を取って始原形を推定する
[6]トル・テ (取る・手)
[7]すーっ(と動く)の「ス」
[8]日本語生成原理―母音変化を伴う膠着を繰り返す

日本語の起源